ナレーターメルマガ

極細木スガ子の
きっぱり言うわよ!

 

 [ 第1部 新人編 ]  第9夜

僕の中にある柔らかい部分

-前編-

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 (2006年11月30日ナレーターメルマガ33号より)

それは、衝撃の一夜だった。

声業界の女帝と呼ばれる伝説の女マネージャー「極細木(ごくぼそき)スガ子」に、業界の現状を教わった私は、帰りのタクシーの中「既存のナレーター教育」の問題点や、新人がぶつかる壁について考えさせられることになった。
 
結局教われなかった「3つ目の壁」とはなんなのか…?
 

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私はどういう“私”になりたかったのか…

 
 
極細木によれば、私たち新人の悩みのほとんどは「プレイヤーがひとりひとりが自立していくこと」で解決されることになる。

将来が見えず「いつまでもこのまま」を感じてしまうレッスンも、自分自身のために変わらなければならないはずのところを、事務所や養成所のために言うことをきかねばならない状況も、全部、誰かにぶらさがっているからだ。

「3つ目の壁」がなんであれ、答えは分かっているつもりだ。
 
自立…。
 
『自立が必要なことはわかった。でもいったい、“どうすれば”?』
 
自立とは、自分の意志と力で前に踏み出していくことだ。
 
だが正直いえば私は、あまりに自分に【自信】がなかった。
 
養成所に通っても通っても、一向に見いだしてもらえなかった事実が「本当は才能なんかないんじゃないか」という不安を、確実なものにしていく。
 
そういえば過去数度だけあったチャンスを、わざと見逃したこともあった。
 
今思えば怖かったのかもしれない。
 
自分を試す場で、わざわざ他人に、自分の才能がなさを教えてもらうのはとても嫌だった。
 
でも夢を諦めるのはもっといやだ。
 
ん…夢?
 
夢ってなんだっけ?
 
そういえばぼんやりとしていて、はっきりと想い描いたことがなかった…
 
私はどういう“私”になりたかったのか…。
 
私は、タクシーの窓の向こうの空に自分の心を映しだし、自分自身に問いかける。