ナレーターメルマガ

弾き語りのマーケッター

第3話

あたしを泣かせてみなさいよ

前編

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 1万円札をつきつけながら

(2011年2月24日ナレーターメルマガ162号より)

 
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その事件は、前触れもなくおこりました。
 
いつものように夜の駅前でだらだら歌っていた僕の前に『あるお客さん』が現れたのです。
 
それは太っていて、長いソバージュで、派手なスパンコールの服を来た、マツコ・デラックスによく似た、40代くらいの女性でした。

道ばたに座っている僕の前に仁王立ちをして、なんと1万円札をつきつけながら言うのでした。
 
『あたしを泣かせてみせなさいよ』と。
 


 

歌う前から泣いてますけど^^;

 
びっくりして見上げて、ボキ2度びっくり。

このおばさん、堪えているとはいえ、すでにもう涙がぼろぼろこぼれてるのです。
 
「あ~酔っぱらいだ、からまれちゃったやばい!」
 
と思いましたが、一言二言話すと、酔ってはいましたが、意識はかなりしっかりしていたようでした。

なので1万円札ほしさに、雰囲気から僕なりに事情を察して、長渕剛の「純恋歌」を歌ったのでした。
 
歌中の【寂しさゆえに愛が芽生え、お互いを知って愛が終わる】というフレーズで、崩れ落ちてワンワン泣くマツコ。
 
なんなんだ…^^;
 


 
さて、ひとしきり泣いて、僕が歌い終わったあと、涙をぬぐいつつ拍手をしてくれるマツコ。
 
「ちょっとツヨシと違うんだよね。でもま、一万円はとっときなよ」。

その後はそれほど僕にカラんでくるでもなく
 
「あたしほんとに「22才の別れ」経験してんだよ」
 
とかなんとか、ありがちなフォーク世代話をした挙句、
 
「あんたいいセンしてるよ」
 
「でも覚えておきなね、飛び出してこそのクギだよ」
(↑この手の”謎のアドバイス”は路上に捨てるほどあるんです)
 
などと、訳のわからない捨て台詞を残して、風のように去っていったのでした。 

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