ナレーターメルマガ

マネージャー小窓王の

改編の狼

vol.10

キャスティングの時間

ー前編ー 

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(2010年8月19日ナレーターメルマガ147号より)

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キャスティングは急遽

 

それは新番組が出揃った10月の中旬。
 
事務処理をなんとか終えて、帰ろうとしていた時だった。
 
以前からの顔見知りのディレクターからの一本の電話で始まった。

D「小窓王さん、急ぎのキャスティングなんだけど。あさってのMAで・・・予算が少ないので新人でいいから誰かいませんか?なるべく早く候補のサンプルが欲しいんだけど・・・」
 
小窓王「ありがとうございます。それで番組はどんな内容ですか?」
 
D「深夜のバラエティー新番で、芸人さんが体当たりで各地の不思議スポットをレポートするコーナー企画なんだけど」
 
小窓王「男性ですか、女性ですか?」
 
D「いまの感じではしっかりした女性ナレーターでいこうと思ってるんだけど。とりあえず単発で。うまくいけばレギュラー化もあるかも。いつくらいまでに候補出せるかな?」
 
小窓王「明日の早い時間にでも資料をお持ちできますよ。それで今回は、いくつかの事務所に声かけてますか?」
 
D「急いでるので何社か声かけてる状態です」
 
小窓王「分かりました。ではお勧めの候補お出ししますね」


 

「まれな」チャンス

 
いつもなら少人数のベルベットだから、深く考えなくともすんなり候補は決まる。でも今回はベルベッターズでは予算もスケジュールも合わない。
 
ベテランたちから、なかなかこぼれ落ちてはこないレギュラー番組。
 
こういったパターンが、新人がキャスティングされる「まれな」チャンスだ。
 
なんとしても自分のキャスティングで番組を押さえておきたい。
 
それがマネージャーとしてそして『改編の狼』としてのプライドでもあるからだ。

『ベルベットからは難しそうだな。新人の中から探すしかないか・・・』 小さく身震いして、頭を切り替える。
 


頭の中から『しっかりしゃべれる女性』をピックアップする。 Aさんかな・・・まずは以前もお願いしたことのあるフリーの方が頭に浮かぶ。
 
スクールのデータベースを見直してみる。卒業生や在校生のプロフィールをひとりひとり見ていく。
 
あまり話したことがない人が多い。そしてどんなプレーの実力があるのか、しっかりは把握できていない。
 
ボイスサンプルを貰って話したことがあるのは、BさんCさんDさん・・・

『やっぱり直接、スクールやスタジオで接している山上君に意見をもらっておこう』
 
すぐさまチャットで会話する。

小窓王「スクールとスタジオで、しっかりしゃべれる女性は誰がいますか?深夜バラエティの新番組の候補なんだけど」
 
山上「うーん。BさんEさんかFさん。あとはGさんHさんも穴であるかな」

小窓王「サンプルはそちらにありますか?」

山上「いま探しますね・・・あ~EさんFさん録ってないな。残りの人はありますよ」
 
ボイスサンプルを何度か聞いてみる。しっかりしゃべりながらバラエティの空気が出せている人は誰なのか。
 
当然だけど、この企画にドンピシャなものは誰も作っていない。まあそれは無理な注文だとは分かっているが歯がゆい。
 
時間の余裕があれば企画に合ったボイスサンプルを作れるんだけど、今回は時間的にそうもいかない。