ナレーターメルマガ

マネージャー小窓王の

改編の狼

vol.2

勝利への準備

-前編-

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(206年10月12日ナレーターメルマガ26号より)

番組の改編期、それは、戦いの歴史!
 
群雄割拠の戦国時代。そして戦国統一を目指す各事務所では、己の意地とプライドが重なり合い、壮絶な戦いの火ぶたが切って落とされていた。
 
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8月中旬、ベルベットオフィス

 
日テレから番組打ち切りの話を聞いた夜、重い足取りで家迄の帰路についていた。
 
翌日、オフィスに届いた応募要項とナレーション原稿のFAXを見て、ある言葉が頭から離れなくなった。
『いままでにない、新しい報道を目指す!20、30代の若者をターゲットにしたPOPな報道』
『しっかり読める事は前提だが、声優、ラジオDJなどの新鮮な人材も募集したい』
『各事務所に原稿指定のボイスサンプルオーディション』
 
すぐさま、担当者に電話で確認。

「多分10数社になると思います。人数に関しての制約はありません」

…すごい数が集まる…ほんとうに「ナレーター戦国時代」がやってくるんだ。昨日までの甘い考えは吹き飛んだ。
 


 

直ぐにキャスティングをスタート

 
取りあえずプレーヤーに連絡して、サンプル収録の段取りを進めないと。
 
直ぐにスタジオBirdsの空きスケジュールを確認。
 
そしてスタジオの日程を決め、直ぐにキャスティングをスタートさせていた。
 
ここ迄の作業、自分でも驚くほどの早業だった。
 
自分でも体が高揚しているのが、少なからず感じ取れた。
 
鞄の奥から煙草を取り出し、ゆっくりと火をつける。指定の原稿に目を通しながら、そっと煙を吐き出した。

『声優とか、うんぬんと書いてあったから、声優事務所が有利かも。。。』

少し不安な気持ちが胸をよぎって来る。
 
もう一度原稿に目を通す。そして原稿を見ながら、自分で声に出して読んでみた。

冷房のかけ過ぎで、室内が乾燥していたせいだろうか、妙に舌が喉に絡み付く。
 


 

でも大窓王は

 
だが『でも、Birdsのサンプルで勝負できる』そう思ったとき不安は少し薄れて行った。
 
なぜなら他の事務所では、きっとBirds程の音のクオリティーを出すことができないじゃないか!ほとんどの事務所では簡易マイクで部屋の片隅で録音するだけだ・・・
 
なんかそう考えると、全然負ける気がしなくなってきた。だってBirdsでは音も付けるって言ってるし。
 
素読みのナレーションと、音が付いている状態でのナレーション。あなたがナレーターを選ぶ立場だったら、どっちがイメージが膨らみますか?
 
何百もの同じ内容のサンプルを聞いていたら、なにか他のサンプルと違いを付け無いと、選ばれるのって難しいですもんね。
 
そんなこんなで安心しきって机に足を乗っけ、煙草を吹かしていると、急に大窓王が事務所にやってきた。
 
慌てて足を机の下に戻しながら、さっき決めたBirdsでのサンプル取りの日程、収録をお願いする人選、全てを報告した。

だが話を聞きながらの大窓王の顔が、急に曇って行ったのでした。