ナレーターメルマガ

読み切り短編集

 - vol.11 -

事務所とはなにか

-前編-

TOPページ | 読み切り短編集 | vol.11 | ナレーター(声優)事務所とは何か_前編

| 1 | 2 |
(2015年1月15日ナレーターメルマガ267号より)

 
プロのナレーター&マネージャーに直接質問できるフォーラムサイト「ナレーションの虎
これまでも珠玉の名問答がやりとりされてきました。
かつて掲示板に寄せられた質問。大窓王渾身の返信をまとめた超大作。
プロ必見です。

 
ナレーターメルマガ,練習方法

 

質問:マネジメント料について
投稿者: カンタービレ
事務所に所属するとマネジメント料を取られると思うのですが、だいたいどのくらいの割合なのでしょうか。最初は所属していても、ある程度の収入や人脈が出来たらフリーになった方が得な気がするのですが。フリーで活躍されている方も多いと聞きます。わざわざマネジメント料を払ってまで事務所に所属するメリットってあるのでしょうか。

 
さあこの質問に、虎の答えは?
 


 
回答:事務所理論
投稿者:大窓王

カンタービレさん、本質的な質問をありがとうございます。

 


 

マネージメント料率

 
声の業界で大手老舗は20%のマネージメント料が多いです。
 
中小、新興事務所では25%~30%のところが増えて来ているようです。
 
それでも、ほかのジャンルの芸能事務所(俳優やお笑い、歌手など)と比べると声の事務所はマネージメント料が最も安い分野に入ります。

声のプレーヤーの不満の中に、「事務所の人数の多さ」「売り込み方の地味さ」や「現場にマネージャーが来ない」をあげる人がいますが、ほかのジャンルの芸能事務所と比較、混同されて論じている場合が多いように思います。これはマネージメント料率の違いもあり、なかなか同じ土俵では比較できないと思います。
 
プレーヤーにとっては、事務所がマネージメント料以上に働いてくれる場合に儲かります。
事務所にとっては、プレーヤーがマネージメント料以上に働いてくれる場合に儲かります。
マネージメント料がいくらであろうが上記のバランスがとれていれば問題はありません。
 
しかし本当に残念なことですが、移籍やフリーになることの、少なくはない原因の一つに、マネージメント料の不正があるようです。金銭的な不透明さは、あたりまえですが許せませんよね。そして一気に信頼関係をなくしています。長い時間をかけて確立してきた声の事務所のシステム自体がきしみはじめているのかもしれません。
 
「最初は所属していても、ある程度の収入や人脈が出来たらフリーになった方が得な気がするのですが。フリーで活躍されている方も多いと聞きます」
このカンタービレさんの質問は、事務所とプレーヤーのバランスが崩れて来た場合の問題ですね・・・
 


 

事務所論


>わざわざマネジメント料を払ってまで事務所に所属するメリットってあるのでしょうか。

 
ものすごく本質的な質問です。事務所の「在り方」への問いだと思います。少し長くなりますがお答えしていきます。
 
多くのプレーヤーが思っている、事務所の機能とは。
 

■『営業』・・・人脈を紹介してもらい営業してもらうこと。ほとんどの声の事務所ではマネージャーのいる部署を営業部と言っていますしね。
■『デスク』・・・仕事を受ける
■『スケジュール』・・・仕事を一元管理する
■『経理』・・・請求や支払

 
こんなところだと思います。

 
では、なぜある程度まで行くとフリーになったほうがいいと思うのでしょうか?
多くの声の事務所の問題点とは何でしょうか?


 

悲劇の始まりは

 
例えばこんなことです。
 
ようやくなんとか事務所に入れた。なのに・・・入ったはいいが、仕事がほとんどない。それなのに営業を禁じられている。

自分でほとんどの仕事を取っているのに、マネージメント料分の働きをしてくれているとは思えない。

マネージャーとコミュニケーションがとれなくて、やりたいこと、やりたくないことが言えない。

たまたま売れたけど、ギャラが低すぎる。下手したら自分の価値を下げてるかも。
 
そんな思いをしている、事務所所属のプロが多いんです。
 
こんなことだったら、売れたら所属したくないですよね。
 
これらのことは『事務所のことを”売れないプレーヤーを営業するための機関”としてしか、お互いにとらえてないことが引き起こす問題』だと考えています。
 
そのような場合は、プレーヤーもマネージャーも「明日のビジョンより今日の仕事」に陥ってしまっています。
 
そこに留まって、上を目指さないでいることが、多くの声の事務所そしてプレーヤーにとっての悲劇の始まりなのかもしれません。
 
売れてない人は、もう少しだけ自分で売る努力をすることをお勧めします。
 
たとえうまくいかなくても、なんらか得るところがあると思います。何も知らないでじっとしていると、気がつかないうちに深い落とし穴にはまっていたりします。
 




 

マネージメントとは

 
事務所の本質的意味とは【マネージメント】です。
 
『営業』は一部分でしかありません。
 
【マネージメント】なき『営業』は「売れてもそのまま」「売れなくてもそのまま」にしかなりません。

私が考える【マネージメント】のある事務所とは‥‥
 


 
‥‥と、いきなりですが【前編】はここまで!

次回【後編】では「マネージメントとは」「パス回し理論」「ブランド化」について言及、そして「事務所に所属する意味」を掘り下げていきます。
 
お楽しみに!

| 1 | 2 |