ナレーターメルマガ

読み切り短編集

 - vol.12 -

ナレーターオーディションの風景

-前編-

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(2016年3月17日ナレーターメルマガ301号より)

 
TVナレーションではオーディションを行うことは少ない。
 
しかしながら報道系や情報系など”帯”で放送する「局の看板番組」が、数年に一度リニューアルされる際には、「局のイメージを背負う声」を探す大々的なオーディションが展開されることもある。数十もの事務所、数百ものナレーターでたったひとつの席を争う熾烈な椅子取りゲームである。
 
では、そのオーディションとは、どんなものなのだろうか。

 
今回我々は、この10年間というもの、朝・昼・夕・夜、各局の看板番組にナレーターたちを送り込み続けているキャスティング「猪鹿蝶」のマネージャー、さらにナレーターたちにも聞き取り調査を敢行。
 
”架空のナレーター有明省吾”を主人公にしつつ、実在の猪鹿蝶マネージャーたちの証言を交えながら、読者諸兄たちに明日やってくるかもしれないオーディションを、イメージ再現してみるものである。
 

ナレーターメルマガ,練習方法

 


 

まずはボイスサンプル選考

 
某日。マネージャーから有明省吾に緊急入電。
ある大型帯番組が変わるため大規模オーディションのオファーが猪鹿蝶に届いたというもの。
 
まずはボイスサンプル選考となるので参加するようなら報道系サンプルを提出してほしいというのであった。
 
まさか自分に報道はないと思っていた有明省吾は、大急ぎでサンプルを収録するためスタジオバーズへ。
 

■武信MGR談「オーディションの場合でも【ボイスサンプルで一次選考】ですね。数十~百単位の応募者が数名まで一挙に絞られるんです」

 

■狩野MGR談「ボイスサンプル選考では、指定原稿がある場合もあれば、指定がない場合もあります。たった1-2分程度のサンプルでその後が決まる、シビアな第一関門です」

 


 

一次審査

 
サンプル提出から(早い場合には当日もありえる)数日。
 
再びマネージャーから緊急入電。
「一次通りました!全部で数名。2次審査は局に来るように」
 
ちなみに落選者には局から連絡がない場合がほとんどだそうである。
 
誰がどうして受かったのかダメだったのか、など、教えてくれるわけもないのだ。
 

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