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 其の5

「マネージャー武信淳インタビュ−2014」

其の5「マネージャー武信淳インタビュー2014」 


長寿・大型番組が次々リニューアル。テレビが生まれ変わろうとしている。

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春改編を振り返ってどうだったか

 
2014年は、長寿番組の打切やリニューアルが相次ぎ、昨年末からキャスティング案件が相次ぎました。ベルベットも猪鹿蝶もオーディションなどでフル回転、ようやくホッと一息つけたというところです。
そんな中、今期は「TBSの朝の看板」である新番組『あさチャン!』に、呉圭崇と小坂由里子をキャスティングできたことは大きいですね。


ナレーター呉圭崇をなぜ選んだのか

 
実は、呉くんは一度「ナレーター募集」で落選しているんです。大手声優事務所からフリーになっていて、昨年の猪鹿蝶に応募してくれたのです。声も良いし、荒削りながら技量も感じた。が、残念なことにサンプルに【テレビ感】がなかった。リズムや煽りのテクニックなどが足りないなーと。それに原稿のチョイスのセンスもいまのテレビじゃなかった。アピールするにはテレビの”活きた原稿”を使わないと。

彼のように「声や表現は良いのに聴かせ方がちょっと…」という「惜しい!サンプル」は喋りのプロではあるが”テレビ以外でのジャンル”でキャリアのある人ほど多いです。いつの間にか表現がそのジャンルに偏ってしまっているのかもしれませんね。

呉くんはその後、スタジオバーズでボイスサンプルを収録し直したんです。知人の紹介があったらしいのですが。そこでのサンプルは、いまのテレビにチューンナップした見事な仕上がりになってました。それにタイミングや飛び込む勢いを感じてプッシュしたんです。


ナレーター小坂由里子をなぜ選んだのか

 
小坂さんはスクールバーズ1期生で、まだ「よくいるアナウンサー系」だった頃から、成長を見せてもらっています。猪鹿蝶発足時は「ときどき候補にあげてもらうのに、2番手3番手になりがちで、仕事が決められない」と悩んでました。
彼女は努力の人。”丁寧で真面目すぎてしまうアナウンス”の読みを超えて、自由に大きく表現できるようになった。

そうした過程をみてたので「彼女の武器は変化だ」と思ってたんです。実際のキャスティングの過程では「DJ系のリズミカルな喋り」だったり「低音の存在感」など、伝えやすい特長から入るんです。そうした特長の一つとして「表現の変化の幅」という武器はあるんです。

幾度もボイスサンプルを作って、表現の幅を拡げていたことが、キャスティングした要因のひとつです。たとえば「バラエティ」を追求した次は「報道専用」のサンプルを録る。「スポーツ特化」や「感動もの特化」など、記憶に残るサンプルを数枚用意していたんです、それらを組み合わせ、局のニーズにあわせて”即座に”そして”柔軟に”サンプルを提案できたことは大きなポイントでしたね。


”バラエティで”のウィスパー(ささやき声)読み

 
武信:ナレーションの最新の流行としては『”バラエティで”のウィスパー(ささやき声)読み』がでてきたことです。

狩野:”身近に感じられる”ウィスパー読みは、ずいぶん前からCMや、しっとりしたドキュメント番組では使われてました。最近では、若手のアニメ声優もキンキンしたキャラクターボイスで読むだけでなく、ウィスパーで読むなどして工夫している人もいます。売れっ子たちは流行に敏感なんでしょうね。

武信:猪鹿蝶からも、声優出身の「桐谷蝶々」がゲーム系バラエティでウィスパー読みをしています。それにMC系出身の「逸見友惠」がウィスパーを武器に戦っています。

狩野:彼女は若手女性ナレーターの中でも前衛を走っているかな。「ドキュメントでのウィスパー」「バラエティでのウィスパー」など多彩にウィスパーを工夫してる。

義村:ウィスパー読みは技術の正確さではなく、『素朴さや空気感』が評価されてるのだと思う。”読みの流行”が動いているといってもいいかも。スクールバーズでも意識していかないとな。話は変わって猪鹿蝶でのボイスサンプルはどんなアプローチがいいんだろう?


今期改編をどう感じている?

 
司会のタレントに変化の兆しを感じます。雑誌などでも多く書かれていますが、帝王ダウンタウンの番組視聴率が芳しくない。新番組も好調とまではいっていません。
替わって、フットボールアワーの後藤さん(NTVあのニュースで得する人損する人)有吉弘行さん(NTV有吉ゼミ)などが19時台で好調です。ゴールデンでも定番MCになって行くのか?というところ。
特番期を過ぎて、それぞれの新番の平場(平常時)が、今週から来週からですから、ヒット作が出るか視聴率に注目です。


来季は果たして?独断と偏見で予想

前述の好調番組は「お金をキーワードした、知的エンターテインメント系」なんです。それを、各局真似していくでしょう。

他は、テレビには外せない「クイズ」。ファミリー層を取る為には選びやすい手だからです。だが実際今のところはテレビ朝日「ミラクルナイン」「Qさま」の2つが好調で、他が…という状態。フジテレビが日曜に2本クイズの新番組を始めましたが、クイズの復活はどうなる!?とこれからの数字に注目しています。

さらにスポーツ。2020年の東京開催が決まった以上、世の中はオリンピックを中心に動きますから、需要は増えるでしょう。注目点として、今はまだ少ないのですが、女性ナレーターのスポーツ番組への起用が多くなる”かも”しれませんね。


改編でのナレーターの傾向

 
この春はベテラン勢の復活が一部ありました。有名長寿番組の後枠など、慎重に動いているのかもしれません。いっぽうで新番組では、新人の起用もまだまだ狙えそうな空気はあります。

最近のオファーとしては「特徴的な読み」ですかね。「色がある」といっても良いかもしれません。こうしたオーダーは昔からたまにはあるのです。たとえば日本昔話のパロディーや、紙芝居風など。
ただし若手がやるなら「番組のどこで使われるか」がイメージできて、きちんとパロディーとして工夫を凝らしたものじゃないといけません。本来そういった読みは大手事務所のベテランの独壇場であり”砦”なんです。なのでそこに勝てるクオリティは、ハンパなものでは勝てません。

それと最近CMやドラマなどで外国人がナレーションするシーンが増えており、「あのドラマの外人さんみたいな感じで」と言われることもありますね。たぶん「強いインパクトでの色づけ」が欲しいのだと思います。それもナレーターとして大事な要素の一つでしょうが、難しい注文ではありますね。


キャスティングで考えること

キャスティング時に思い出しやすい人は「発信している人」「コミュニケーション力のある人」です。一方的な気持の押しつけや、逆にぶら下がろうとするだけではなく「提案につなげていける」こと。呉くんや小坂さんを選んだ要因も、結局そこに尽きるかもしれませんね。